光流れる洞窟(のような)

（前回募集時の内観写真です）

階段をおりると広がる4.4mの天井高。縦長の窓から差し込む光。それは例えるならば。暗い洞窟を進んでいるとして。途端に開ける視界。洞窟の上部にぽっかりと空いた穴。穴から降り注ぐ光。神々しさを覚える感覚値。絶景の洞窟、みたいな触れ込み、よくありますよね。そんな感じです(伝わりますか？)。去るその日まできっと忘れない、この空間に初めて身を浸した時の感覚を。

最寄り駅は京王井の頭線の東松原駅。駅前の商店街を抜けた先。路地の先のアプローチ、そしてその先の白の建物。そして、"b"。1階のb号室が借主を募集中です。"b"

玄関のドアを開けると目に飛び込むすりガラス。足元には階段。一度おりて、天井高4.4mの空間感。この、一度もぐって、開ける空間。この感覚が、こちらのお部屋のハイライトです。豊島美術館、ありますよね。細い入り口を進んで、開ける空間。あれです、あの感覚が、東松原のこのお部屋で体感できます(伝わりますか？この例えで)。とにもかくにも、この感覚、心の内側の襞をぞわぞわとさせる類のもの。このお部屋を去る日まで、いえ、きっと去った後も、じわじわと心に残る事、間違いありません(個人の印象に基づきます)。

さて。約10帖のフロア。縦長の空間、天井は呆れるくらいの抜け感。キッチンはシンプルなステンレスの造り。どんな空間を造りましょうか。できるならば、コンクリートの壁面に、巨大な映画のポスターなのかわかりませんが、ポスター貼りたいですね。ポスター。

硬質な室内階段をのぼった先の上階。窓を開けて下を覗いてみれば。玄関と、例の階段ですね。この上階のスペースにベッド類を置く感じでしょうか。とはいえ、1階に水廻りが集中していますので、導線を考えると1階に生活のあれこれを詰め込んで、この上階は趣味のスペースかワークスペースの方が良いのかもしれません。悩ましいところです。

そうなんです。水廻りは、玄関を入って、左手側に洗面、トイレ、浴室。トイレと洗面、やっぱり天井が高くて。所々の黄色いシールは、クリーニング予定のマーキングです。

室内に入る手前の、収納と、玄関脇のシューズボックス。収納には、あら、ムシューダ？

暮らしの実用性云々よりも、空間としての面白さの方が勝っているこちらのお部屋。どうしましょうかね。きっと音の鳴りは良いと思うのですが。上階のチェアに座って、縦長の窓から注ぐ光の揺らぎでも眺めていたら、案外良い時間、過ごせそうなのですが、どうなんでしょう。

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